テーマは「おくるをつくる」、かみの工作所による第2回目のコンペ開催。気持ちを伝えるための新しいおくる形(2)

テーマは「おくるをつくる」、かみの工作所による第2回目のコンペ開催。気持ちを伝えるための新しいおくる形(2)

審査会に参加した審査員数名に、今回のコンペにあたり注意していた点や応募作品について、審査会全体についての感想をうかがった。

どういうポイントに注目して見ていましたか?

岡崎智弘:基本的には手紙を送るということに対して、大きな意味でデザインをしようとしているかどうかが1番重要だと思ってみていました。もののクオリティとは別に、どういう風に手紙を捉えて解釈すると新しい送り方を生み出せるかを、どう思考するかに興味がありました。

鈴野浩一:コンペではひとつひとつの作品をじっくり見ることは難しいです。実際に見ていくこともできますが、たとえばその作品が製品としてお店に並んだ時を考えると、しっかり説明文を読むお客さんばかりではないので、瞬時に伝わるものなのかどうかを意識して見ていきました。

長岡勉:送られた人がどれだけワクワクできるかというところはベースとして考えていました。あとはカードなので、送る人が主体的に関われたり、きちんとメッセージが託せるものなのかっていうバランスが重要かなと。

原田祐馬:大きく3つの観点で見ていました。まずは、見た目に特徴があるかを周りながら分析していきました。次に方法。印刷の工程を想像しながらどういう分類があるのかを考えていました。最後は純粋に、今回のテーマに合っているかどうかです。

三澤遥:見たことないアイデアか、自分が純粋にワクワクするかどうか、そういう点をポイントとして審査しました。

審査会を終えて

岡崎智弘:本当にたくさんのアイデアが集まって、純粋にそういったものを見る機会として楽しかったのはありますが、作品によって考えている時間の深さや量の差というのはすごく感じました。それが深いと必然的に目につくし、そのアイデアやデザインの考え方が汲み取れるというか。考える量がある一定より浅いと「何か見たことあるな~」と、思えてしまいましたね。

鈴野浩一:たくさん数があって、似ているものも多くありました。いいアイデアが浮かんでもそれでおしまいではなく、そこをちょっと超えてというか、一歩そこで考えることを止めなかったというものが評価されたのだと思います。前回同様、学生がちゃんと優秀賞に入っているのはこのコンペのいいところですよね。たぶん素材が学生も身近に触れている「紙」だというところが強いのでしょうね。難しい課題ですが、誰もが参加できる身近なコンペだと思います。

長岡勉:個人賞として選んだ作品「うみのぬし」は、思わず微笑んでしまう世界観がとても気になった一方、つくり手の個人的な表現が強いため、展開のさせ方について難しさを感じる作品でもありました。プロダクト寄りのものや、一歩主観から引いた世界観のものが多いなか、つくり手の世界観に乗っかっていけるという喜びと楽しさがありました。プロダクトにする難しさは感じつつ、みんなが純粋にワクワクするピュアなポジティブさがおもしろく、新しい方向性に可能性を感じました。

原田祐馬:“おくる”には「送る」と「贈る」がありますが、僕だったら、おくり方そのものについてどんな方法があるのかをリサーチすることから始めると思います。そこを1番の力点に置き、新しいアイデアを探しますね。たくさん並ぶ作品を見ていて、ペーパーカード“デザイン”コンペをペーパーカード“アイデア”コンぺと勘違いしている人もいたのかも…と少し感じました。最終的には、アイデアの部分をどこまでデザインに落とし込めていたかが評価につながったのかなと思います。

三澤遥:紙自体がすごくクリエイティブを発揮できるものなので、まず素材として難しさを感じました。プラス、世の中にはレターセットが山ほどあるので、その中でアイデアを出すのはかなり難しい…。ですが、そういうことを感じさせないくらい、楽しそうにつくっている作品があっておもしろかったです。見た目から喜ばせてくれるものや、送る人が組み立てたりしてつくり上げていくプロダクトなど、いろいろな可能性が見えました。

山田明良:審査員は普段から一緒に仕事をしているデザイナーさんたちなので、今回も気心が知れている楽しい審査会となりました。普通、コンペって1回目は盛り上がって応募はたくさん来るけど、2回目は応募が減るかもしれないって話をしていたので、倍以上の応募にビックリしました。

審査の際に使われた付箋

審査の際に使われた付箋

製品化に向けて

現在はグランプリ&優秀賞の受賞者3組と福永紙工が、製品化に向けてミーティングや試作を重ねている。今夏に顔合わせが行われ、受賞者3名の応募動機や製品化までの打ち合わせ方法やスケジュールについてなどが話し合われた。

(左から)内藤繁樹さん、鈴田克弥さん、川田敏之さん

(左から)内藤繁樹さん、鈴田克弥さん、川田敏之さん

生産ラインにのること、現実的な販売価格に落とし込むこと、「郵送」のルールに則ることなど、製品化までにはさまざまなハードルをクリアする必要がある。作品の魅力を落とさず、製品として成立するようデザイナーと製造スタッフによる試行錯誤が続いている。

<各製品の製品化ポイント>

【グランプリ】DOT ANIMATION CARD/内藤繁樹さん
アニメーションのバリエーションを広げている。技法としては珍しいものではないので、アニメーションによって驚きや意外性を演出することに注力中。

【優秀賞】切手紙/鈴田克弥さん
手でつくるものなので、作りやすく心地よいサイズや素材感を追求。パッケージもシンプルに製品の魅力を訴求するものを考案中。

【優秀賞】バタフライレター/川田敏之さん
郵送のルールをクリアできるよう検証を繰り返している。送った相手にスムーズに便箋を引き出して蝶を動かしてもらえるよう、仕様を調整中。

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前回のコンペで製品化された作品については現在、国内だけにとどまらずアメリカやヨーロッパ、アジアなどの海外でも販売されている。2018年2月には、都内にて展示販売会を予定しているそうだ。少し先になるが、また新たな紙の可能性を感じるカードが生まれるのを楽しみにしていただきたい。

ペーパーカード デザインコンペ2017

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