新たなはじまりを予感させる一夜、日本橋の未来をつくる「nihonbashi β」がいよいよローンチ!

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新たなはじまりを予感させる一夜、日本橋の未来をつくる「nihonbashi β」がいよいよローンチ!
若手クリエイターと日本橋をつなぐ共創プロジェクト「nihonbashi β」がついに始動した。プロジェクトの第一弾として、各業界でチャレンジを続けるクリエイターを講師に迎え、日本橋を代表する有名店とともに、新しい日本橋体験をつくるワークショッププログラムが開催される。「未来の日本橋をデザインしよう」というコンセプトのもとに、設定された今回のテーマは「未来ののれん」。日本橋の店舗に飾るのれんを、若手クリエイターたちが約4か月にわたって制作していく。本記事では、去る7月31日に日本橋の「WIRED CAFÉ News日本橋三井タワー店」で行われたローンチそれを読むについてお伝えする。

プロジェクト「nihonbashi β」のメイン画像

人とものが行き交ってきた場所から未来へつなぐ

「nihonbashi β」の今回の企画は、「未来ののれん」とはなにかを考え、それをカタチにしていくことで、都市とクリエイターが一緒に成長をするプロジェクトでもある。約4か月の間にアイデアワークショップでチームで議論を重ね、講師による「のれん制作チェック」をそれぞれ3回ずつ重ねていく。もちろん、クリエイター同士はその間にも、さまざまなコミュニケーションツールを駆使して議論を重ねていくことになるだろう。

その成果物となるのれんは、11月上旬に開催予定の「未来ののれん展」で、日本橋の名だたる店舗(コレド室町、にんべん日本橋本店、マンダリン オリエンタル 東京、三井ガーデンホテル日本橋プレミア)に実際に飾られるので、参加者にとっても店舗にとっても取り組み甲斐のあるプロジェクトといえる。

このローンチそれを読むは、公募から選出されたクリエイターと、講師となるクリエイター、そして店舗側との顔合わせ的な意味合いもあるが、改めて日本橋という街を知り、参加者の認識を共通のものに合わせていく狙いもある。いまでも数多くの店舗でのれんが飾られる、日本橋の成り立ちや特徴について学ぶことによって、より環境に合った成果物がつくられるのだ。

「nihonbashi β」ローンチそれを読むの会場の様子の画像

「nihonbashi β」ローンチそれを読むの会場の様子の画像

選出されたクリエイターは16名。デザイナー、ディレクター、プランナーなど職種はさまざまで、なかなかおもしろいバランスになっていると感じる。それを見守る講師陣のクリエイター、そして実際にのれんが飾られる店舗関係者、取材陣で会場は満員となった。まずは、クリエイティブチームの株式会社バスキュール代表であり、nihonbashi β projectの代表でもある、朴正義さんがモデレーターとして登壇し、オリエンテーションがはじまった。

株式会社バスキュール代表であり、nihonbashi β projectの代表でもある朴正義さん

株式会社バスキュール代表であり、nihonbashi β projectの代表でもある朴正義さん

もともと自宅から近いこともあり、日本橋には映画や買い物に来ていた朴さん。2年前、自ら飛び込みで提案した自然現象とテクノロジーが連動したイルミネーションそれを読むを日本橋で実施できたことが、この街への思い入れを強くし、歴史ある土地柄を学んでいったそうだ。「日本橋のたもとには道路元標という、日本の道路の起点となる印がある。日本橋が多くの人やモノゴトが行き交う場であった証であるが、それを未来にもつなげていきたい。ただ、日本橋という街は完成され、中途半端は認められないのではないかという敷居が高い印象がある。そこで、新しいチャレンジを歓迎し、これからの若手クリエイターを応援するという意味を込めて、nihonbashi β(ベータ)という名前にした」と、プロジェクト名に込められた想いを伝えた。

そして、このプロジェクトによる日本橋の未来のビジョンをこう語った。「日本橋の街でチャレンジする人を増やしたい。外から見たパーセプションを変えていきたい。常に日本橋で何かが起きている雰囲気をつくって、日本橋で生まれたといえるクリエイターを輩出したい」。先を見据えたプレゼンテーションの後に、この日の会場となった日本橋三井タワーに本社を構える、先端素材メーカー・東レ株式会社が参加するという発表もあった。「未来ののれん」をつくるための素材を提供してくれるという、心強い協力者が増えた。

「nihonbashi β」ローンチそれを読む 会場のスクリーンを写した画像

古いものを残しながら新しい日本橋へ

クリエイターのつくったのれんが飾られる街はどういった成り立ちなのか?日本橋の都市開発に7年関わる三井不動産株式会社の新原昇平さんによって、日本橋の歴史についてのプレゼンテーションが続いた。

「いまの日本橋の橋ができたのは、1911年で約100年前。橋の開通式には約100万人が集まった。初代の日本橋が架橋されたのは1603年。日本橋は江戸の町の中で立地的にも精神的にも強い中心性を有していた。江戸時代の町を描いた絵の多くで、日本橋が特徴的に描かれていることなどからもそのことが推察できる。また、五街道の起点として物流・交通の中心機能を果たし、経済や文化・娯楽などが起こり、人やものが集積する街であった」。

三井不動産株式会社の新原昇平さん

三井不動産株式会社の新原昇平さん

江戸の外からも多くの人・ものが集まった日本橋。その分、非常に競争が激しい街であったという。「ちょっと油断すると商売敵に取って代わられる。生き残っていくためには、なにか新しいビジネスモデルをチャレンジしていかないと、時代に置いていかれて消費者にそっぽを向かれてしまう。ただ、そのチャレンジによって活気が生まれている。例えば、呉服屋が百貨店にいち早く転換した町でもある」

ただずっと景気が良かったわけではない。街としては大きな浮き沈みを経験している。「商店とともに証券会社・金融機関が集積し、ビジネス面でも活気のあった日本橋の街は、バブル崩壊をきっかけに少しずつその勢いを失っていく。そして2000年頃から、もう一度街を活性化しようという動きがはじまった。“残しながら、蘇らせながら、創っていく”をコンセプトに街づくりが進んでいる」。そのために考えられた街づくりのキーワードは4点。「産業創造」「界隈創生」「地域共生」「水都再生」。人と人との繋がりを生み出し、新たなコミュニティを生み出すことで賑わいある街づくりをめざす。今回のプロジェクトはそのような目的で動き出した。

のれんは人と街をつなぐインターフェイス

のれんが飾られる参加企業、株式会社にんべんの高津克幸社長から、若手クリエイターにエールを送る内容を含めたプレゼンテーションが行われた後、参加講師によるパネルディスカッションがはじまった。登壇した講師陣は、後藤映則さん(アーティスト/デザイナー)、中里唯馬さん(YUIMA NAKAZATO)、中村勇吾さん(tha ltd.)、西村真里子さん(HEART CATCH)、矢後直規さん(SIX)、そこに山崎泰(MonitoriPlovdiv)を加え、現在クリエイティブの現場で活動している面々が、「日本橋をクリエイティブな街に」「老舗店舗×イノベーション」「のれんのコンセプト」といったテーマで話題を共有した。

nihonbashi βの講師陣

nihonbashi βの講師陣

「日本橋は、昔からの建物と先進的な建物が並び、新と旧が入り混じっている。やはり品の良さがある印象がします」(後藤)

「休日はコレド室町に映画を観にいくことが多いので日本橋に親しみがありますが、北海道出身の自分にとっては日本の中心に感じる」(山崎)

「のれんは人と街をつなぐインターフェイスだと考えている。元々のれんで手を拭く文化もあったらしく、汚れているのは繁盛店の証だそう」(朴)

「一番好きなのれんは、六本木の東京ミッドタウンのとらや。通常ののれんよりもちょっと長く、プロポーションが異なるから新しいと感じる。普段慣れ親しんでいるのれんの意識を少し変えるだけで驚きが生まれる。日本人が無意識に知覚しているのれんを再確認すると良いかもしれない」(中村)

中村勇吾さん(左)、後藤映則さん(右)

中村勇吾さん(左)、後藤映則さん(右)

「自分は原宿のラフォーレの広告に長年携わっていて、あの場所に出る意味や効果を考えて、まちづくりの一環としてやっている。のれんは店の表に並ぶものなので似ている。広告のデザインはグラフィックだけでなく、ビジュアルコミュニケーションの要素もある。自分もデザインするときは、人に与えるイメージが何なのか考えることが多い。だから、のれんの形自体よりも、どういう意味があるのか考えたいと思う」(矢後)

矢後直規さん

矢後直規さん

「カーテンの場合は窓と共にできているが、のれんは非常に柔らかい素材でできている。障子のあり方に似ているけれど、人が通過する行動に密接している。柔らかい素材で空間を仕切る装飾のひとつで、すごくおもしろい建築のいち機能だと思っている。また汚れたことが人が通過したことの痕跡となるセンサーになっている」(中里)

「のれんは英語に約すとショートカーテンで、英語圏ではのれんに当たる言葉はない。なので、制作するときは日本人について掘り下げるのも良いかもしれない」(西村)

西村真里子さん(左)、MonitoriPlovdiv山崎泰(中)、中里唯馬さん(右)

西村真里子さん(左)、MonitoriPlovdiv山崎泰(中)、中里唯馬さん(右)

プロジェクトへの知見が広がるパネルディスカッション終了後は、参加クリエイターのチーム分けが発表が行われた。それぞれの得意としている領域などのバランスを鑑みた4チームに選別されている。また、どのチームがどこの店舗にのれんを飾るかの組み合わせは、各店舗の代表者によるくじ引きで決められた。この辺りの偶発性も未来をつくるうえで大事な要素かもしれない。

「nihonbashi β」ローンチそれを読む クリエイター4チームと店舗の組み合わせがくじ引きで決められた

クリエイター4チームと店舗の組み合わせがくじ引きで決められた

ひとしきりプログラムを終えた後の懇親会では、参加者同士が早くも親睦を深め、次回のワークショップに向けてチームワークが生まれる予感のようなものが見られた。若手クリエイターが集うことでつくられた「未来ののれん」が、どういったコミュニケーションを誘発するのか、期待が高まる一夜となった。

「nihonbashi β」ローンチそれを読む 懇願会の様子の画像

「nihonbashi β」ローンチそれを読む 入口にある看板の画像

取材・文:高岡謙太郎 撮影:寺島由里佳