命がけでつくった作品群を見よ!「草間彌生 わが永遠の魂」

命がけでつくった作品群を見よ!「草間彌生 わが永遠の魂」

水玉や力強さを感じる模様、ハッとするようなカラフルな色づかいで、唯一無二の作品をつくり続ける前衛芸術家・草間彌生。70年以上も作品をつくり続け、いまだ創作意欲が衰えない彼女の集大成とも言える展覧会「草間彌生 わが永遠の魂」が、六本木の国立新美術館で5月22日まで開催されている。

木に登った水玉 2017(2017年)

木に登った水玉 2017(2017年)

“わが永遠の魂”という壮大なテーマを掲げた本展は、草間彌生の初期の作品から現在にいたる創作活動の全貌を総合的に紹介するものだ。2009年から草間が精力的に取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」を中心に据え、一挙約130点を日本初公開。生命力あふれる会場の様子を、フォトレポートする。

※作品表示の仕方:《作品名/制作年》所蔵先

初期作品

1950年代に描かれた作品は抽象的でありながら、動植物や人間、天体、都市など、多岐にわたるモチーフをテーマに、生命感と宇宙的な広がりを感じさせる。批評家・瀧口修造らに高く評価され、東京でも何度か個展を開催した。

1950年前後の初期の作品

1950年前後の初期の作品

ニューヨーク時代(1957年~1973年)

日本での芸術活動に限界を感じた草間は、1957年秋に単身アメリカに渡る。巨大なキャンバスを小さな網目状のストロークで埋め尽くした、モノクロームのネット・ペインティングで最初に高い評価を受けた。その後、男根状の突起を家具などにびっしり貼り付けたソフト・スカルプチュア、同一物の集積/反復によるアキュミュレイション、オブジェやイメージによって空間を埋め尽くすエンヴァイラメント(インスタレーション)など、性や食品に対するオブセッション(強迫観念)を主題とした先駆的な作品を矢継ぎ早に発表し、注目を集めた。

写真左から:《The Man(1963年)》広島市現代美術館、《無題(イス)(1963年)》豊田市美術館、《トラヴェリング・ライフ(1964年)》京都国立近代美術館

写真左から:《The Man/1963年》広島市現代美術館、《無題(イス)/1963年》豊田市美術館、《トラヴェリング・ライフ/1964年》京都国立近代美術館

《文字の集積/1961年》オオタファインアーツ

《文字の集積/1961年》オオタファインアーツ

東京時代(1973年~1990年代)

体調を崩し、1973年に帰国した草間は東京で入院生活を送りながら活動を再開。絵画や彫刻、インスタレーションにおいては、水玉やネット、男根状の突起など従来のモチーフを大胆に再解釈し、具象的なイメージと組み合わせた色彩豊かな作品が生み出された。コラージュや版画、小説や詩といった文学作品など、新しい分野にも挑戦。性と死、無限の宇宙などの普遍的なテーマにもとづくこれらの作品は、率直な表現によって新しい観客を獲得した。

写真左から:《とらわれのダニー・ラ・ルー/1970年》広島市現代美術館、《最後の晩餐/1981年》千葉市美術館

写真左から:《とらわれのダニー・ラ・ルー/1970年》広島市現代美術館、《最後の晩餐/1981年》千葉市美術館

《死の海を行く/1981年》東京都現代美術館

《死の海を行く/1981年》東京都現代美術館

《天上よりの啓示/1989年》東京国立近代美術館

《天上よりの啓示/1989年》東京国立近代美術館

21世紀の草間彌生

2000年以降の草間はビエンナーレやトリエンナーレなど国際展への参加が急増し、展示会場の巨大化と野外化という条件も重なり、大型インスタレーションを積極的に発表している。草間彌生の作品を多く目にする機会が増えたのもこの時期だ。本展のメインでもある大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」は2009年から描き始めたもので、その制作ペースはすさまじく、現在では500点を超える連作シリーズだ。

写真左:《真夜中に咲く花/2010年》、写真右:《明日咲く花/2016年》

写真左:《真夜中に咲く花/2010年》、写真右:《明日咲く花/2016年》

「わが永遠の魂」シリーズ

《わが永遠の魂》シリーズ

《生命の輝きに満ちて/2011年》。無数の小さなライトが広がる空間で、少しずつライトの色が変化している。水玉模様に入り込んでしまったような作品

《生命の輝きに満ちて/2011年》。無数の小さなライトが広がる空間で、少しずつライトの色が変化している。水玉模様に入り込んでしまったような作品

《水玉強迫 2017/2017年》

《水玉強迫 2017/2017年》

「インパクト」とは彼女のためにある言葉ではないのかと感じる本展。展示を見ているだけでも力強いパワーをもらえるような、不思議な感覚に陥るだろう。また、今回草間彌生からのメッセージが配られた。とても印象的な言葉があるので、以下、抜粋して紹介したい。

“芸術の創造は孤高の営みだ”

それは世界の人たちと感動を共にすることに命を賭して成し遂げるものだと思います。私のメッセージとしてこの信念を世界の人々に伝えたい。私は死ぬまで闘い続けたい。私が死んだあとも皆さん、どうぞ私の創造への意欲、芸術への希望と私の情熱を少しでも感じて頂けたらうれしい。

さあ、闘いは無限だ。
もっと独創的な作品をたくさんつくりたい
その事を考える眠れない夜
創作の思いは未知の神秘への憧れだった
私は前衛芸術家として宇宙の果てまでも闘いたい
倒れてしまうまで

草間彌生のサイン

草間彌生のサイン

国立新美術館 開館10周年 草間彌生 わが永遠の魂
会期:2017年2月22日(水)~5月22日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
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