人と自然の関わりを美術から浮かび上がらす、「大地の芸術祭」フォトレポート(農舞台・松代中央エリア)

人と自然の関わりを美術から浮かび上がらす、「大地の芸術祭」フォトレポート(農舞台・松代中央エリア)
2015/8/31 17:48
2000年から3年に1度開催され、現在では世界最大級の国際芸術祭となった、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(以下、大地の芸術祭)」。日本有数の豪雪地として厳しい自然環境と向き合い、大きな自然災害に見舞われながらも、それを乗り越えてきた越後妻有の人々の暮らし、そして現代アートが溶け込む里山の風景は、訪れた多くの人たちや参加作家たちを魅了してきた。過去5回の芸術祭によって蓄積されてきた約200点のアート作品に加え、第6回となる今回は地域の資源や課題により根ざした新作・それを読むなど約180点が展開される。

花咲ける妻有/草間彌生(2003)

花咲ける妻有/草間彌生(2003)

「大地の芸術祭」は約760km²の広大な里山を10のエリアに分けて展示。全作品を回ろうとすると1~2日では到底足りない(1週間前後が目安といわれている)。 今回は下記の5エリアに絞って新作を中心に紹介したい。

キナーレ・十日町市街地周辺エリア
うぶすな・下条飛渡エリア
絵本と木の実・十日町南エリア
・農舞台・松代中央エリア
アジア芸術村・津南エリア

農舞台・松代中央エリア

ほくほく線を挟んだ南側には「大地の芸術祭」の中心施設のひとつ、まつだい雪国農耕文化センター「農舞台」が立つ。イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」をはじめ、城山一帯には約30点の作品が点在する。「YEN TOWN BAND」の再結成ライブも含め、それを読むも多く開かれる。

能舞台からゆっくりと城山の坂を登っていくといくつもの作品に出会える。初期から展示されている作品も多く、良い具合に経年を重ねて風景の一部として溶け込んでいる。こうした歴史の堆積が「大地の芸術祭」を厚みのある豊かなものにしている。

リバース・シティー/パスカル・マルティン・タイユー(2009)

リバース・シティー/パスカル・マルティン・タイユー

太い柱に吊るされた逆さまに巨大な鉛筆の群れ、その一本一本には世界の国々の名前が書かれている。さまざまな色に着色された鉛筆はステンレスの柱で枠に固定され、地面から約2メートルの高さに浮かぶ。鑑賞者に先端を向けているので恐怖を感じそうなものだが、迫力こそ感じても不思議とそういう印象はしなかった。

砦61/クリスチャン・ラピ(2000)

砦61/クリスチャン・ラピ(2000)

山の中腹の棚田に、漆黒の像が群れをなすように立っている。ちょうど「能舞台」を見下ろすような市で、作品名のとおり砦を思わせる位置に展示されている。黙々と立つ姿は、集落を連想させるし、墓標のようにも見える。

○△□の塔と赤とんぼ/田中信太郎(2000)

○△□の塔と赤とんぼ

松代城山のランドマーク、高さ14mの赤とんぼの彫刻。青い空を背景にした時の羽ばたく姿は、訪れた人の里山の郷愁を誘う。

関係—大地・北斗七星/河口龍夫(2000)

関係—大地・北斗七星/河口龍夫

鉄板に開けられた7つの穴は北斗七星のフォルムをなすとのこと。その穴から発芽した植物が育ち、里山の風景の一部と化していた。この植物が管理されているものかは不明だが、このような作品が先述した”歴史の堆積”を感じさせる。

かかしプロジェクト/大岩オスカール(2000)

かかしプロジェクト/大岩オスカール

真っ赤なかかしが、さまざまなポーズで棚田に立つ。この地域に働く人々、その家族の姿もモデルとしている。棚田の緑とのコントラストが鮮やか。

棚田|人生のアーチ/イリヤ&エミリア・カバコフ

人生のアーチ/イリヤ&エミリア・カバコフ(2015)

人生のアーチ/イリヤ&エミリア・カバコフ(2015)

新作の「人生のアーチ」は、橋の上に、卵の形をした人間の頭にはじまり、四つん這いの「少年の像」、「光の箱を背負う男」、「壁を登ろうとしている男。あるいは永遠の亡命」、そして「終末、疲れた男」が並ぶ。城山の突如開けた場所に展示された、人生のそれぞれの段階を形にした作品。

棚田/イリヤ&エミリア・カバコフ(2000)

棚田/イリヤ&エミリア・カバコフ(2000)

農舞台を訪れる人の多くが鑑賞する「棚田」は第1回から展示されている。稲作の情景を詠んだテキストと、対岸の棚田に農作業をする人々の姿をかたどった彫刻を配置し、農舞台内の展望台から見ると、詩と風景、彫刻作品が融合した形で現れる。

▼ほかのエリアのフォトレポート
キナーレ・十日町市街地周辺エリア
うぶすな・下条飛渡エリア
絵本と木の実・十日町南エリア
アジア芸術村・津南エリア

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」
会場:越後妻有地域(新潟県十日町市・津南町)760k㎡
会期:2015年7月26日(日)~9月13日(日)

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