空間のデザインを進化させる、 原研哉氏が監修した新色カッティングシート®

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空間のデザインを進化させる、 原研哉氏が監修した新色カッティングシート®
1966年に誕生した株式会社中川ケミカルの「カッティングシート®」は、その豊富なカラーバリエーションと汎用性の高さから空間を彩る色素材として常に時代のニーズを支えてきた。1986年にはグラフィックデザイナー・田中一光氏の監修のもと100色に、1990年には165色になり、そして今回、原研哉氏を監修に招き48色を追加。空間に合わせやすい「白のバリエーション」が増えた意図や、カッティングシート®を取りまく昨今の状況について、原氏に語っていただいた。

求められていたのは表現の幅を広げるバリエーション

原研哉(はらけんや)/グラフィックデザイナー 。1958年岡山県生まれ。1983年武蔵野美術大学大学院デザイン専攻修了。同年日本デザインセンター入社、現在同社代表取締役。長野オリンピック開・閉会式プログラム、EXPO2005愛知公式ポスター、AGF「MAXIM」、梅田病院サイン計画、松屋銀座リニューアル、集英社新書、無印良品アートディレクション、森ビルVI、NTT「らくらくホンベーシック」などのデザインを行う。「もの」のデザインと同様に「こと」のデザインを重視して活動中。

原研哉(はらけんや)/グラフィックデザイナー 。1958年岡山県生まれ。1983年武蔵野美術大学大学院デザイン専攻修了。同年日本デザインセンター入社、現在同社代表取締役。長野オリンピック開・閉会式プログラム、EXPO2005愛知公式ポスター、AGF「MAXIM」、梅田病院サイン計画、松屋銀座リニューアル、集英社新書、無印良品アートディレクション、森ビルVI、NTT「らくらくホンベーシック」などのデザインを行う。「もの」のデザインと同様に「こと」のデザインを重視して活動中。

最初にこのプロジェクトのお話をいただいたのは2014年の6月頃。カッティングシートの可能性を追求する「CSデザイン賞(CS Design Award)」の審査員をやらせていただいてきた縁もあって「カッティングシートの色を増やしたい」「新しい見本帳のデザインをしてほしい」と相談されました。これまでにも僕は、印刷用紙の選定や設計、書体に関するプロジェクトに携わってきたのですが、これらグラフィックデザイナーにとっての土台を扱ってきた経験を買っていただいたのかもしれません。

今回、色を追加するにあたって提案したことは、オフカラーを増やすこと。鮮やかな色調のラインはある程度完成していましたので、新色には空間の色調に合わせやすい白のバリエーションとして「セレクテッドホワイト」や、白から黒の無彩色である「ニュートラルグレースケール」、ほかにも低彩度の「ペールトーン」「グレイッシュトーン」を追加することで、デザイナーの表現の幅を広げたいと思いました。一般的にデザイナーが空間をデザインする際、ビビッドな色を使うことは少ないです。コンクリートの空間や街並みになじむ色をイメージしていくと、自然とアースカラーに手が伸びるものです。アースカラーの多くは緑でも褐色でもグレーが混じった色。それが地球環境の色です。マンセルやオストワルト表色系にあるような彩度の高い色は地球環境にはほとんどないんです。たとえ都市であってもそういった色はやはりなじまないんですね。

ちなみに空間に文字や記号を置いてサインシステムを制作するとき、視認性のよい色の代表は白です。たとえ白い背景の中に置いても、物の色は距離に比例して視認性が高くなるため、背景となる遠い白に対して、近くにあるサインの白は明るく感じます。やはり空間で多用される白と黒は重要で、僕も仕事に使うなら白に選択の幅があったほうが都合はいい。より適切な仕事ができると思います。そんな風にデザイナーである自分の知見に照らし、他のデザイナーにも便利に感じてもらえるような色の選定を心がけました。

制作現場でアクティブに使いやすいように設計

原氏が手にしているのは、白から黒のグラデーションとデザインパターンが印刷された背景色の選定用シート。カラーチップの下に挿し込むことで彩度やコントラストのバランスなどを確認できる。色自体は同じでも背景が異なると見え方は大きく異なってくることを配慮した設計だ

原氏が手にしているのは、白から黒のグラデーションとデザインパターンが印刷された背景色の選定用シート。カラーチップの下に挿し込むことで彩度やコントラストのバランスなどを確認できる。色自体は同じでも背景が異なると見え方は大きく異なってくることを配慮した設計だ

これまでの見本帳では、黒い紙の上にカラーチップが貼られていました。しかし同じ色であっても背景色が異なると見え方は違ってくるため、今回の見本帳には白から黒のグラデーションとデザインパターンを使い分けられる「選定用シート」を設けました。これは僕が考案した仕組みではありませんが、どこかで目にして「便利だな」と感じていたものです。もうひとつ、手元で色を見比べるためのハンディな短冊型の見本帳もあります。これには厚手の紙製のホルダーを設けたのが特徴です。これが便利なのは、バラバラとカラーサンプルを見比べた後に、一気にきれいに束ねられること。これくらい大きな見本帳だと手の中でバラバラして扱いにくいものですが、そういった煩わしさを解消しました。

厚手の紙製のホルダーのおかげで、カラーサンプルをきれいに束ねられるハンディな短冊型の見本帳(右)

厚手の紙製のホルダーのおかげで、カラーサンプルをきれいに束ねられるハンディな短冊型の見本帳(右)

見本帳と足並みを揃えて刷新したのが、カッティングシートの発売当初から約50年にわたって使われてきたロゴタイプです。カッティングシートというと、いろんなものを貼り合わせていく色素材ですので、その貼り合わせた感じや、シートとシートがオーバーラップしているニュアンスをロゴにも込めました。以前のものと比べると可読性が高まったように思いませんか? 僕自身はロゴに突飛な形を与えるのは好きではありません。だから、いつもシンプルに仕上げます。とはいえ何てことはない「S」のカーブを何カ月もかけて作り直しました。実のところ「何てことはない」を形にするのには結構な手間がかかるものです。

カッティングシートが発売された1966年以来初となるロゴタイプのリニューアル。これも原研哉氏が担当。「カッティングシートらしさ」を、このシンプルな意匠に込めた

カッティングシートが発売された1966年以来初となるロゴタイプのリニューアル。これも原研哉氏が担当。「カッティングシートらしさ」を、このシンプルな意匠に込めた

いずれにしましても、今回僕に与えられたミッションは「すべてのデザイナーにとって使いやすいもの」を設計すること。多くのデザイナーに求められる色の選定にはじまり、読みやすいロゴや、扱いやすい見本帳を形にする作業です。それは率直に申し上げて地味な仕事ではありましたが、裏方としてそれに徹したと言ってもいいでしょう。

次ページ:空間のデザインは、ますます成熟を迫られる

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