クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち

《アニミタス》(小さな魂)、2014年 Photo: Angelika MarkulCourtesy the artist and Marian Goodman Gallery《アニミタス》(小さな魂)、2014年 Photo: Angelika Markul
Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery

フランスの現代美術家、クリスチャン・ボルタンスキー(1944-)は、映像作品やパフォーマンス性の高い作品を制作していた初期から現在まで一貫して、歴史の中で濾過される記憶の蘇生、匿名の個人/集団の生(存在)と死(消滅)を表現してきた。

自己の幼年時代の再構築にはじまるボルタンスキーの記憶をめぐる探求は、次第に他者の記憶のアーカイヴへとその主題を移し、1980年代には、ヨーロッパを中心に歴史認識を再考する議論が活発化した社会状況や、ユダヤ系フランス人の父親の死に呼応するように、先の大戦にまつわる歴史と記憶、殊にホロコーストを想起させるようになる。写真や衣服、ビスケットの缶などごく日常的な素材に人間の根源的なテーマを滑り込ませるインスタレーションは、それを知覚する鑑賞者の感情を揺り動かし、見るものと見られるものの記憶の交錯を生み出す。

東京で初個展となる本展では、時代の転換期の中で重ねられた歴史と、往来した人々の記憶を宿す旧朝香宮邸で、<亡霊たち>のさざめく舞台が展開する。踊る影に、名もなき人々の眼差しに、遠い地で微かな音色を奏でている数百本の風鈴に、そしてささやく「声」に、<亡霊たち>は立ち現れる。この<亡霊たち>は、すでに失われた過去のものではなく、「アニミタス」という言葉の語源が「霊魂」のほかに「生命」をあらわすように、今ここに存在しないもの(あるいは、したかもしれないもの)、まだ生まれていないものたちが、この世界に確かに存在し、そうした無数の「他者」と共に私たちは生きているということを伝えるものである。

ここ東京都庭園美術館で<亡霊たち>と鑑賞者の眼差しが出会うたびに、時間と空間と記憶が入り混じり、美術館を超えて世界を知覚するための新しい眼差しが生まれるだろう。

【関連それを読む】
●記念講演会
日時:9月22日(木・祝) 14:00~16:00
会場:日仏会館1Fホール
定員:150名
登壇者:クリスチャン・ボルタンスキー、逢坂恵理子(横浜美術館館長)
※日仏同時通訳あり
※参加費無料、事前申込制

●ARTBOOK CLUB わたしの中の亡霊
会場:本館
定員:各回20名
※参加費無料(ただし、展覧会チケットが必要)、事前申込制

第一回「インスタレーションと鑑賞者のエモーショナルな関係」
日時:11月25日(金) 18:00~19:30

第二回「一風変わった幼少期からアーティストボルタンスキーの誕生」
日時:11月26日(土) 14:00~15:30

※その他詳細は公式サイトを参照

開催期間 2016/09/22(木)~2016/12/25(日)
※それを読む会期は終了しました
時間 10:00~18:00(ただし、11/25、11/26、11/27は夜間開館のため20:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 第2・第4水曜日(9/28、10/12・26、11/9・24、12/14)
入場料 一般900円/大学生(専修・各種専門学校含む)720円/中・高校生・65歳以上450円/小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
参加アーティスト クリスチャン・ボルタンスキー
会場
  • 東京都庭園美術館
  • 本館・新館ギャラリー1・2
  • 東京都港区白金台5-21-9
お問い合わせ 03-5777-8600
会場電話番号 03-3443-0201
会場URL
詳細URL
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